テック業界に外国人労働者が多い理由

こんにちは。

シリコンバレー不動産です。

トランプ大統領が先日決定した、高度な技術を持つ労働者のためのH-1Bビザ発給の一時停止が話題になっています。

ホワイトハウスは、これはアメリカ国内の雇用を生み出すためだとしているのですが、テック業界やその他の高度な知識や技能が必要な業界にいる人からすると、それがいかに非現実的なことがよくわかります。

テック業界では、スキルがある人は企業間の取り合いになってます。そして、アメリカのテック業界は多くの外国人が働いていますが、これは国内の教育では必要なスキルを持った人を養成できていないからなのです。

アメリカの小学校から高校のカリキュラムを見るとよく分かるのですが、とにかく理数系の教育が東アジアに比べると合理的ではないと感じられます。確かにトップ層に優秀な人はいるのですが、全体的な底上げがかなり微妙な感じです。さらに、テック系の科目というのは学位を取るのが大変なので、アメリカ人は避けがちです。ですから、海外で教育を受けてきた人にアメリカで一部勉強してもらって、高度技能人材として受け入れてきた、というのがアメリカの人材確保の仕組みなのです。その多くが、アメリカの大学院修士号を取得して就職していきます。つまり、初中等教育を海外に外注しているわけです。

数学は考えることに重きを置きますが、日本や中国のように合理的に教えませんし、とにかく鍛錬の量が足りません。進み方も遅い。高校卒業時点でのレベルが低く十分な学力が身に付いていません。だから、高校や大学までを海外で教育を受けた人を雇ったほうが早いわけです。

テック企業がひしめくシリコンバレーに外国人労働者が多いのはこうした理由からなのです。ビザ発給の一時停止が安易にアメリカ国内の雇用を生み出すと、いうことにはならないのは明らかです。

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